湘南 BENGOSHI 雪風録 第25回

弁護士になるまで雑記 1

山本 有紀

9月6日は、司法試験合格発表日でした。

受験者3082人のうち、1403人が晴れて合格されました。

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司法試験を受験するためには、受験資格として、法科大学院の課程を修了するか、あるいは、司法試験予備試験に合格することが求められます。

ただし、来年度の司法試験からは、法科大学院在学中であっても、司法試験法の定める要件を満たす者については、受験が認められることになりました。

今年の合格者の平均年齢は28.3歳。

法科大学院在学中の受験が認められることや、年齢の若い予備試験合格者の増加(受験に年齢制限はなしです)によって今後もう少し合格者の平均年齢は下がっていくかもしれません。

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試験は、真ん中のお休み1日を入れて合計5日あり、もっとも時間の長い初日は、朝8時30分集合、最終の試験時間終了が18時30分というハードなスケジュールです。

最終日のマーク式の短答試験をのぞき、3日間は筆記試験で、消しゴムを使わずにひたすらペンで解答を記述していきます。

1枚23行の答案用紙……これで自分の運命が決まってしまう。ああこわい。

中には司法試験の受験指導が好きという弁護士もいますが、私はもう司法試験自体が思い出すだけで恐ろしく、近づきたくはなく、5月の中旬になると、今この瞬間にも司法試験を受けている人がいるのかと気持ちが当時にタイムスリップして、背中がひんやりします(司法試験は例年5月中旬、ゴールデンウィークが終わったあたりに予定されていました。ただし来年度からは7月実施になるそう)。

いまだに夢に出てくることもあり、一番多いパターンは、すでに弁護士として働き始めているのに、実は司法試験の課目はまだあって、これから受けないといけないと何かの拍子で気づいてしまうというものです。

夢の中の私は、我ながら可哀想なくらいに焦って、どうしようどうしよう何も勉強してない(夢の中では課目は不明です)、あんな試験今受けても絶対受からないよ…! とほとんどパニックになってしまうのです。

司法試験当日の緊張だけでなく、受験生としての日々は、周りが仕事をしている中で、一日中ジャージを着て、本当に受かるかどうかもわからない司法試験の受験勉強をひたすらするというもので、体の内側から込み上げてくるこの焦り! この焦りはやはり高校受験や大学受験とは別種のものであると思います。

とにかく焦って不安で毎日苦しかったなあ。

今、日本で一番有名な司法試験受験生といえば、小室圭さん(こちらはニューヨーク州の司法試験ですね)ですが、10月に発表されるこの方の3回目の合否についても、色々と報道が出ています。

小室さんに色々意見はあるかもしれない。しかし司法試験についてだけは何も言ってくれるな! 次受かるといいね!

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2002年、政府は司法制度改革推進計画を閣議決定して、2010年頃には合格者数を年間3000人程度とするとしました。

もっともこれは実現せず、1500人程度以上とすべきと方針変更されました。

しかし受験生自体の数が減少したこともあり、法曹の質の維持を理由に現在はそれも下回る合格者となっています。

しかし、今年度の予備試験受験者が実に1万6145人に上ることをふまえれば、決して弁護士を目指す人が減ったわけではないといえるでしょう。

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弁護士の急激な増加に伴い、弁護士の平均所得も減少傾向にあります。

多くの弁護士が、弁護士が増え過ぎているのではないか……という意見を持っています。

ただ、仕事は結構忙しいです。

司法制度改革以前の弁護士は今よりももっと忙しくてもっとお金の稼げる仕事だったということなのだろうか……。倒れないのだろうか……。

仕事は奥の深い、やりがいのある仕事です。

この仕事をするためには大きな大きな司法試験が横たわっているのを乗り越えなくてはならない。むずかしすぎる!

合格者の方は本当におめでとうございます。

 

 

[ライタープロフィール]

山本有紀

1989年大阪府生まれ。京都大学卒業。
大学時代は学園祭スタッフとして立て看板を描く等していた。
神奈川県藤沢市で弁護士として働く。
宝塚歌劇が好き。

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