あてにならないおはなし

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あてにならないおはなし 第42回<最終回>

第42回 識字は生きほぐしの相続財産阿部寛 2019年11月15日にスタートしたこの連載も、そろそろ幕を閉じようと思う。月1回ペースで書き続けて3年半、42回を重ねた。そのきっかけを作ってくれたのは、彩流社の編集者・出口綾子さんだ。「寛さん...
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あてにならないおはなし 第41回

第41回 世界を取り戻し、切り拓く識字日本社会で生きるヴェトナム難民との出会いと学びほぐし阿部寛「阿部さん、勉強は一生です」ヴェトナム難民のクンさんの口癖だ。このことばには、過酷な人生を生き抜いてきたクンさんの哲学と闘志が込められている。ク...
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あてにならないおはなし 第40回

第39回 わが個人的識字論(つづき)阿部寛2006年5月、地域人権学習会「ぼちぼち」での識字の時間は、「友だち」がテーマだった。参加者が、このテーマについて思い浮かぶことを書き、読み合った。そのとき書かれた、熊本県天草出身の宮崎由穂さんの作...
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あてにならないおはなし 第39回 

第39回 わが個人的識字論について(つづき)阿部寛第38回に続いて、統合失調症を抱えるKさんがミーティングや識字の場で発したことばと文章をてがかりに、語ること、書くこと、表現することの本質的な意味を探ってみたい。それに先立ち、精神障害者とこ...
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あてにならないおはなし 第38回

第38回 わが個人的識字論について阿部寛一般的には「識字」はどのように理解されているのだろう。広辞苑(第4版)では、識字とは「文字の読み書きができること」と説明されている。また、ユネスコ(UNESCOUnitedNationsEducati...
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あてにならないおはなし 第37回

第37回 あらためて「識字」を考える阿部寛この連載も、いよいよ最終盤にさしかかってきた。ここで、改めて「識字」について考えてみたい。わたしが「識字」に出会ったのは、以前にも書いたように、横浜の簡易宿泊所街・寿町で取り組まれていた寿識字学校だ...
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あてにならないおはなし 第36回

第36回食にまつわる物語阿部寛食事、食材、料理と身体に関する記憶をもう少したどってみたい。「飯食ったがあ」「まだ食ってねえ」「んだば、食ってげ」こどものころ、ご近所さんや知り合い同士で、あいさつ代わりにこんな声を掛け合ったものだ。声を掛けら...
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あてにならないおはなし 第35回

第35回わたしの体験的居場所論 その10阿部寛 前回(第34回)に引き続き、「わかもの相談室」での若者自主活動のひとつ、「共食の会」について、さらに詳しくお話したい。「共食の会」発足のきっかけは、前述したとおり、父親から虐待を受け、洋服に火...
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あてにならないおはなし 第34回

第34回わたしの体験的居場所論その9阿部寛前回(第33回)の末尾で、はじめて履歴書を提出したときのエピソードを書いたが、少し補足をしたい。わたしが提出した履歴書は、JISマーク付きの市販のものではなく、雇用主所定の書式でもなかった。一般に使...
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あてにならないおはなし 第33回

第33回 わたしの体験的居場所論その8阿部寛今回は、「わたしの体験的居場所論」からいったん飛躍するが、個人的居場所論を語る上で欠かせない、前置きのお話をさせていただきたい。わたしには、「計画性」というものがない。いろいろと能書きは垂れるけど...