あてにならないおはなし

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あてにならないおはなし 第32回

わたしの体験的居場所論 その7阿部寛1995年5月にスタートした地域人権学習会「ぼちぼち」は、開設当時から、いくつかの理念とキャッチフレーズのもと、語りと学習の場として活動を続けてきた。(2013年、わたしは代表を辞し、若い世代にバトンタッ...
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あてにならないおはなし 第31回

わたしの体験的居場所論 その6阿部寛 「“ラブちゃん”と私を呼んでください」。彼女は、東京は浅草生まれ。1945年3月10日の東京大空襲で父親を亡くし、一家離散状態となった。小学校にもほとんど行けず、幼いころから子守奉公をし、年長になると男...
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あてにならないおはなし 第30回

わたしの体験的居場所論その5 阿部寛地域人権学習会「ぼちぼち」の誕生 今回は、地域人権学習会「ぼちぼち」の歴史を紐解いてみよう。 「ぼちぼち」は、1995年5月に神奈川県厚木市の被差別部落で誕生した。最初のメンバーは、地域の子どもたち3人と...
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あてにならないおはなし 第27回

阿部寛たまり場ユンタークのメンバー・さっちゃんとご近所をめぐるトラブルは、さっちゃんの全身全霊をかけた叫びによって、地域住民の「承認(あきらめ)」を勝ち取って、彼女のたまり場通いは続くこととなった。さっちゃんと地域住民のやり取りを読んだ読者...
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あてにならないおはなし 第26回

第26回 わたしの体験的居場所論(その1)阿部寛「居場所」の定義は、時代とともにずいぶん変わってきたようだ。物理的場所(空間)がありながら、その中に自分が確保するスペースがない状態に陥ったときに、「居場所がない」という表現が生まれた。現在は...
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あてにならないおはなし 第25回

阿部寛出会いの一瞬ですべてはきまるだからその時のために心を磨いておくのだ名刀のように仏教詩人・坂村真民の詩「名刀のように」である。出会いは、時空を超えて一瞬で成立するようだ。しかし、二人の出会いは、双方の絶え間ない「こころ磨き」があればこそ...
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あてにならないおはなし 第24回

阿部寛1985年5月、たまり場ユンタークが誕生して間もなく、上田裕子(ひろこ)・隆勇(たかお)・真裕美(まゆみ)の親子がさっそうと登場した。当時、隆勇は小6、真裕美は小4だった。初訪問時は確かお父さんも同伴していたが、今となっては顔も名前も...
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あてにならないおはなし 第23回

阿部寛1983年2月、横浜市山下公園で、15〜6歳の少年たちが野宿していた人を襲撃し、殺害したことを、新聞各社が報道した。余罪がかなりあり、寄せ場「寿町」周辺で、合わせて3人が殺され、重軽傷者が多数いる(実数は不明)ことが判明した。世に言う...
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あてにならないおはなし 第22回

阿部寛1984年夏、わたしは日本の三大ドヤ街の一つ、横浜・寿町に初めて足を踏み入れ、その半年後には日雇労働者となっていた。ここで、日雇労働の道案内をしてくれ、その後もわが人生に大きな影響を与え続けてくれたお二人を紹介しよう。大塚洋介さんと村...
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あてにならないおはなし 第21回

阿部寛横浜のドヤ街(簡易宿泊所街)寿町に身も心もわしづかみにされ、わたしは大学院の研究室に荷物をすべて置いたまま、突如ドヤ暮らしを始めた。なんのあてもなく、生活目標も生活設計もなし。その当時のことはよく覚えていない。日常生活も、研究生活も、...