スージー鈴木のロックンロール・サラリーマンのススメ 第13回

第13回 会議の議事録をどう作るべきかについての会議の議事録

スージー鈴木

 

日時:2023年1月15日 15時~

会場:御社20階第23会議室

参加者:

(御社)鈴木部長、福浦課長、初芝係長

(弊社)成瀬、小宮山、黒木(文責)

 

・(鈴木さん)今回は、議事録というものについて話してみたい。果たして、今、この時代のビジネスにおいて、必要な議事録とは何か。

・(成瀬)そもそも、議事録を作る文化は、未だに残っているのだろうか。

・(福浦さん)社内の会議の場合、かなり仰々しい会議でしか作られないだろう。ただ取引先との会議だと、よく作られているはず。

・(小宮山)一種のサービス的側面もあるのだろう。

・(一同)笑。

・(福浦さん)最近気になるのは、議事録作成のためだけに会議に出席している人たちの存在。新人など若い人たちに多い。

・(鈴木さん)一心不乱にノートPCをパチパチやっている若者、いるいる。

・(成瀬)「パチパチ君」ね。

・(黒木)気になるのは、ビジネスの効率化が叫ばれる中、まず人員を1人配置するほど、議事録が大事なのかという点。

・(福浦さん)会議の流れを追いたいという欠席者向けに必要なのでは?

・(小宮山)しかし、欠席者の大半は議事録など読んでいない気がする。

・(一同)笑。

・(鈴木さん)なら、会議の合意点と、今後に向けた課題だけ、簡潔にまとめればいいのではないか。

・(一同)うなずく。

・(成瀬)だから、若者は、議事録作りに集中し過ぎず、会議自体にも参加したほうが勉強になる。

・(福浦さん)合意点と課題を、たえず頭の中で考えながら。

・(小宮山)実はそれ、かなり難しいが、少なくとも、何も考えず一心不乱にノートPCをパチパチやるよりは絶対いい。

・(一同)うなずく。

ロック系の写真で名高いカメラマン大川直人さんの撮影

 

 

●必要なのは、発言内容の「本質」の抽出

 

・(黒木)それでも議事録を求められたときは、どうすればいいのか?

・(福浦さん)発言を一字一句書き起こすのはナンセンス。その発言の本質だけを抽出した文面でいい。

・(小宮山)本質を抽出するのは実は難しいけれど。

・(鈴木さん)ただ、その技術は、他の仕事でもすごく活きると思う。

・(初芝さん)そもそもビジネス書類作りって、フワッとした情報から本質を抽出する仕事だから──。

・(一同)うなずく。

・(鈴木さん)初芝さん、今日初めての発言でいいこと言う!

・(初芝さん)ありがとうございます。

・(小宮山)でも、今の鈴木さんと初芝さんの「いいこと言う」「ありがとうございます」のやり取りは、本質的内容ではない。

・(一同)爆笑。

・(成瀬)では、具体的に議事録はどう作ればいいのか?

・(鈴木さん)今回のこの記事が、議事録の具体例だ。話者の発言の本質だけが並んでいる。

・(一同)うなずく。

 

会議のまとめ:

(1) 議事録信仰を見直す。特に「100%議事録集中人員」は不要。

(2) 重要なのは合意点と今後の課題。最低、事後にそれだけを共有できれば良い。

(3) 作成する場合は話者の発言の本質だけを並べる(ビジネス書類作りに向けたいい勉強になる)。

 

今後の課題:

・今年もよろしくお願いします。

 

 

[ライタープロフィール]

スージー鈴木(すーじーすずき)

音楽評論家、小説家、ラジオDJ。1966年11月26日、大阪府東大阪市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。音楽評論家として、昭和歌謡から最新ヒット曲までを「プロ・リスナー」的に評論。著書・ウェブ等連載・テレビ・ラジオレギュラー出演多数。
著書…『桑田佳祐論』(新潮新書)、『EPICソニーとその時代』(集英社新書)、『平成Jポップと令和歌謡』『80年代音楽解体新書』『1979年の歌謡曲』(いずれも彩流社)、『恋するラジオ』『チェッカーズの音楽とその時代』(いずれもブックマン社)、『ザ・カセットテープ・ミュージックの本』(マキタスポーツとの共著、リットーミュージック)、『イントロの法則80’s』(文藝春秋)、『サザンオールスターズ 1978-1985』(新潮新書)、『カセットテープ少年時代』(KADOKAWA)、『1984年の歌謡曲』(イースト新書)など多数。

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